· 

忘れられないある朝の出来事

 

がんばれ現場監督       忘れられないある朝の出来事

 

 

 それは僕が入社間もない新入社員の頃の話です。

 

4月のまだ肌寒い朝、その現場では、朝の7時前に

朝礼が行われていました。

 

手が冷たいのでポケットに入れていた軍手を

とろうとした瞬間に所長の怒号が響きました。

 

「おいっお前。朝礼の時にポケットに手を

突っ込んでるとは何事だ!10年早いわぁぁぁ!」と。

 

新入社員の僕は、突然の出来事にあまりにも所長が

おっかなくって、言い訳も弁解もできないまま、

小さくなってしまいました。

 

でも、今ならわかります。あの時、現代ならあり得ないような

理不尽ともいうべき怒り方をした所長でしたが、

僕を叱りたかったのではなかったと思います。

 

その一言で、だらけていた現場の空気を一気の引き締めたのです。

 

10年早いといわれたあの日から数十年たちました。

 

いまだに僕は、朝礼ではポケットに手を入れたことがありません。

 

朝礼で気持ちを引き締めることは大事です。