「One Team!」
2019年はラグビーワールドカップで盛り上がりました。自国開催だけあって、その声援に背中を押された日本代表は、ロシア戦に続いて、世界ランク2位のアイルランドからも勝利をもぎ取りました。4年前に南アフリカに勝利した「日本の奇跡」の再現です。
「緑の壁」として襲い掛かってくるアイルランドの重量フォワードの攻撃に対して、まったくひるむことなく、果敢にタックルを繰り返す姿に、感動せずにはいられませんでした。中でもマイケル・リーチ選手の低く鋭いタックルは、相手の突進を許しませんでした。あの捨て身のタックルに行く勇気は、尋常ではないタフな精神力と仲間を信じ、絶対に勝つんだ!という強い思いがあったからでしょう。
JAPANチームが掲げたスローガンは「ONE TEAM」。日本代表には、31人中15人の外国人選手がいます。その選手構成についてあれこれ言う人もいましたが、グランドでの彼らの姿を見れば、批判の言葉を口にすることが恥ずかしくなるでしょう。「1人の選手は1カ国の代表にしかなれない」というラグビー特有のルールがあります。つまり、日本を選んだ彼らは、日本チームとして戦うことに「自らの人生」をかけてくれたのです。グランドに立ち、胸を張って日本の国歌を大声で歌っている彼らの姿に胸が熱くなります。
ラグビーは、15人の選手で戦います。数あるスポーツの中でも、もっとも多くの人数で戦う競技です。その15人の全員がチームのためを思って、パスやタックル、スクラム、キック...必要な仕事をこなします。トライをとるのはあんなに難しいのに、15人の中の一人でも手を抜くといとも簡単に敵にトライを奪われます。それが、「one for all , all for one」と言われるゆえんでしょう。
「誰も僕たちが勝てるとは思っていなかったし、誰も接戦になるとは思っていなかった。誰も僕たちがだどれだけ犠牲をはらってきたかは知らない。でも僕たちは、必ず勝てると信じていました」という田村選手の言葉は、とても印象的でした。外国人選手とともにもぎ取った勝利はまさに「ONE TEAM」というスローガンが形となったからでしょう。
さて、この「ONE TEAM」というスローガンは、私たちの建設現場にぴったりなのではないでしょうか。所属会社や職種が異なる職人さんたちが集い、完成という勝利に向かって一致団結して協力し合う。その過程には、しんどいことも辛いこともあります。でも、最後の最後に完成という勝利をもぎ取るのは、あなたです。私たちには桜のエンブレムもないし、赤と白のジャージに染まったサポーターたちの声援もありません。でも、全員が建設業界の日本代表であり、全員が一つのチームです。スタンドプレーではなくチームプレーなのです。現場にいる誰一人が欠けても完成という勝利はつかみ取れないのです。まさに、 ONE TEAMです。
皆さんの活躍によって、数々の構造物がつくり上げられてきました。その頑張りをNHKのすばらしい実況と重ねて贈ります。
「もうこれは、奇跡とは言わせない!!」
(40歳男性)
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