「劇的なフィナーレ」
トンネル工事は、通常の土木工事とは異なります。
NATMの理論や施工機械が発達した現代でも、閉ざされた空間では岩盤の崩落や機械による接触事故など、
危険な要素が多いです。
それに加えて、日の当たらぬ坑内では、昼も夜も関係なく2交代で休むことなく施工していきます。
岩盤の変化や湧水の発生など気を抜けない施工の連続ですが、トンネル工事の場合、その進捗状況が明確に
現れるのがうれしい。
毎日、毎夜、確実に数mずつ掘り進んでいくのです。
そして、その成果は「貫通」という劇的な達成感を与えてくれます。
ジャイアントブレーカーで最後の岩盤を突き破った瞬間、真っ暗な空間にまぶし過ぎる一筋の光が、
暗闇に突き刺さるように差し込んできます。
その光の筋は、坑内に舞うホコリをキラキラと輝かせ、まるで別世界のような景色を見せてくれます。
やがてその光の筋が大きくなり、前方の景色が徐々に拓かれる。
これこそトンネル工事ならではの劇的なフィナーレなのです。
(30代 男性)
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