ダム、河川、トンネル、道路、下水道、橋など、様々なインフラ(社会資本)をつくります。
これらの構造物を建設することで、人々の安全で便利な生活を支えています。また、自然を多く採り入れた河川の護岸づくりに見られるように、環境を考えた土木技術の発達によって、人々の暮らしに潤いをつくり出していきます。
多くの職人さんが様々な工事を行うことで、土木工事を形作っています。
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■機械土工工事
ダムや道路や空港などの工事で、「土」を動かして「土構造物」をつくるのが仕事です。
土木工事には土砂の掘削、盛り上げ、積み込み、敷きならし、根切りなどの作業があります。 かつては主に人の手で施工されていましたが、今ではその作業のほとんどを機械で施工しており、建設工事の中で最も機械化・近代化の進んだ仕事です。
現在の建設機械には、危険な現場では操縦や作業装置を機械と切り離して、乗車しないで安全な機外から操作できる機種(無人化施工)や、コンピュータが搭載され、プログラムを利用しながら装置を自動的にコントロールする機種(情報化施工)もあります。
また建設機械は、ただパワフルなだけのゴツい乗り物ではありません。土をすくい取るショベルが付いていたり、土地を押しならすためのプレード(鉄の板)がついていたりと、いろいろな形のものがあります。こうした装置類に複雑な動きをさせるため、操縦席にはレバーやスイッチがたくさんあります。最近では、それらがコンピュータ制御になってきており、建設機械を動かすのには繊細な操縦技術が必要です。だから、最近は女性操縦者も増えてきました。日本ではつくられる建設機械は世界の最高水準にあります。
■舗装工事
道路の表面を強化して、人や車が快適に通行できるようにする仕事です。
舗装には、雨天時のぬかるみや乾燥時の砂ぼこりの悲惨を防ぎ、道路の寿命を延ばし、また騒音や振動を防ぐ役割があります。最近では舗装材料のリサイクルや、水がしみ込む透水性舗装など、環境に配慮した技術革新が進んでいます。舗装の厚さは、数センチから数十センチ程度。5ミリでも狂ったら、長い道路全体に及ぼす影響は大変なものになります。舗装工事業は、ミリ単位の精度で施工する仕事です。ダンプトラック、ロードローラー、タイヤローラー、アスファルトフィニッシャなど、いろいろな車両を使います。ですから、ローラ運転、大型・特殊など車両に関わる資格は必需品です。
また、機械化されてはいますが、細かい部分の「手ならし」など、やはり人の気配りが重要です。数人のチームで作業を行うため、一丸となってアスファルトフィニッシャの移動とともに仕事を進めていく様子は、さながら冬季オリンピックのカーリングチームのようです。
■プレストレストコンクリート工事
プレストレストコンクリート構造(PC構造)は、鉄筋コンクリート造に比べて強度が優れているため、橋梁の長大化が可能になります。また、体育館、倉庫、競技場、立体駐車場、劇場など、柱間隔を長くとる必要のある大空間建築物に適しています。橋梁、高速道路網、タンク、海洋港湾構造物、建築物、防災・エネルギー関連施設といった社会資本の整備に大きく貢献している工事です。円形構造物への適用など設計の自由度が高く、今後も多くの構造物への適用が期待される将来性のある仕事と言えます。
PC構造物は、コンクリートにあらかじめ与えるプレストレス(圧縮力)をどの程度にするかが、構造計算によってきちんと決められています。そのため、現場では設計書どおりに施工する、緻密で確実な品質管理が求められます。また、工事には多くの人が携わるので、設計・現場の連携(コミュニケーション)が重要になります。
■浚渫工事
浚渫(しゅんせつ)とは、船が安全に航行できるように海底を掘り下げたり、港湾や河川、湖沼に堆積したヘドロを取り除いてきれいにしたりすること、豪雨の際に大量の水がスムーズに流下できるように川底を掘り下げることをいいます。浚渫した土砂は、ほとんどが埋め立て材料として有効利用されています。海で囲まれている日本では、人々の豊かな暮らしを支えるために、船による物流や、そのための港湾整備が欠かせません。港や川、湖沼にたまったヘドロを取り除いて、きれいな環境を創造することも重要です。
浚渫には主に「グラブ浚渫」や「ポンプ浚渫」という工法があります。
グラブ浚渫とは、土をすくい取る「グラブバケット」という装置を持つ船で浚渫します。中小規模の航路や船の停泊地、河川などの浚渫に適しています。構造物をつくるための海底掘削にも使います。グラブバケットで水底の土砂をつかみ上げ、自船または連結している土運船に積み込んでから、埋め立て地まで運搬して土砂を投入します。投入には空気圧送船、リクレーマ船、バージアンローダ船などを使います。また、最近は柔らかい粘性土を浚渫するケースが多く、埋め立てに使えるように土質を改良する種々の技術が開発されています。
ポンプ浚渫は、大規模な航路や船の停泊地の浚渫に適しています。ポンプ浚渫船のラダー先端に取り付けた回転式カッターで海底を掘削し、ほぐれた水混じりの土砂をポンプで吸い込んで、埋め立て地などに排送します。
土木に関わる仕事をいくつか詳しくご紹介します。
台地を大きな機械を使って掘り起こし、道路をつくります。大きな機械をまるで手足のように動かす姿は神の領域です。また、コンクリートの打設工事、土工事、現場の場内整備を行います。